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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

「馬鹿なことをしでかしてくれたものだ。幼い子どもにみすみす君の許へゆかせるように仕向けたようなものじゃないか。幸太郎は二日前、君に逢いにゆこうと家を抜け出したんだ。恐らく、汽車に乗るために駅に行くつもりだったんだろう。駅前の大通りを渡る途中、向こうから走ってきた辻馬車に撥ねられてしまったんだ」
「―!」
 幸は言葉を失った。

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