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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第13章 終章【エピローグ】

 黄昏の穏やかな陽差しの中、老婦人が一人、籐の揺り椅子にゆったりと座っている。老婦人はゆうに七十は過ぎているであろうと思える。近頃ではもう殆ど見かけられなくなった着物をきっちりと着こなし、きれいな銀髪を結い上げたその姿は、品があって美しい。若かりし頃は、さぞかし美人であったろうとその美貌を彷彿とさせる。

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