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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第14章 番外編第一話「潮騒の詩」~海辺の恋~

~海辺の恋~

 蒼い水面が眩しい夏の光を乱反射している。白い波が絶え間なく打ち寄せるその様は、途切れることのない生命のめぐりを思わせる。水平線ははるか彼方に霞み、境界さえ判らぬほど空の蒼と溶け合っている。亮平は手に持った小さな升を傾け、そっとその中身を海に注ぐ。

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