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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第14章 番外編第一話「潮騒の詩」~海辺の恋~

 娘が素直に感心したように頷くのに、亮平は我知らず紅くなった。良い歳をした大の男がたかが十七、八の小娘に見つめられて頬を赤らめている―、そのことに、亮平は狼狽(うろた)えた。思ったことをはっきりと口にするけれど、根は素直な質(たち)なのだろう。娘は黒い大きな瞳を亮平に真っすぐに向けていた。

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