空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第14章 番外編第一話「潮騒の詩」~海辺の恋~
「今まで、あなたのようにちゃんと教えてくれた人はいなかったわ。父さんも母さんも皆、海の神さまは怒らせたら怖いから、ちゃんとお祀りしなければならないって、ただ怖がるばかり。嵐の海は確かに怖いけれど、所詮は海じゃない。海に神さまなんかいるはずもないのにって言い返したら、物凄く叱られちゃった」
そんなことを言えば、親だって怒るに決まっている。全く、天真爛漫というのか天衣無縫というのか、臆することを知らぬ少女である。
そんなことを言えば、親だって怒るに決まっている。全く、天真爛漫というのか天衣無縫というのか、臆することを知らぬ少女である。