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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第15章 番外編第一話【潮騒の詩】 月夜の契り

~月夜の契り~

 その数日後のことだ。
 漁から戻ったばかりの亮平が夕飯の支度をしていると、庭の方で呼び声が聞こえた。
「亮平さん、亮平さんはいないの?」
 そろそろ夕飯時だというのに騒がしいことだなどと少々億劫に思いながら三叩土(たたき)へ降り、草履を突っかけた。

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