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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第16章 番外編第一話「潮騒の詩」~海神の誓い~ 

 濱崎熊五郎の家は、小さな村の中では比較的立派な方だ。網元という立場もあり、村の顔役でもある。玄関近くの小さな座敷に通された亮平に対して、熊五郎は初めから不機嫌極まりなかった。
「一体、どういうことだ?」
 亮平が形ばかりの挨拶を述べても、返事もしない。いきなり詰問口調であった。

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