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【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~

第2章 アラン篇

朝食をとり終えると
乗馬の稽古のために厩舎へ向かった。

すでに着いていた『先生』に
後ろから声をかける。


『アラン、よろしくお願いします』


月花の声に振り返ったアランが
眉間にシワを寄せ近付いてきた。


「遅い。いつまで食ってんだよ」


そう言って月花のおでこを軽く指ではじく。


『……っ!待たせてごめんねっ』


アランにはじかれたおでこを手で擦りながら
月花はアランを見上げた。


「じゃあ、はじめるか」


そう言ってアランは口元を緩めると
月花の手をとり厩舎の中へと脚を進めた。


『……』


アランの後ろ姿を見つめながら
月花は心の中でため息を落とした。


(アランは夜伽の事を知っているのかな?)


月花はゆっくりと口を開く。


『アラン…あの…』


「……なに」


アランが後ろを振り返り、月花を見る。


『……ううん、何でもないの』


「……」


アランは一瞬だけ月花をじっと見ると、
再び前を向いて歩きだした。


(やっぱり聞けないよね…)


そう心の中で呟くと、
月花は目線を下へ俯かせた。

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