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【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~

第2章 アラン篇

アランはじっと月花を見つめてくる。


『アランが…お相手だったなんて……』


月花の声が僅かに震えて響いた。

そんな月花をから目線を外すと、
アランは外から遮るようにカーテンを閉め、
月花の方へ近づいてきた。


『……!』


目をつむり、
身体を強張らせた月花の前に立つと、
月花の頭を優しくポンとたたく。


「いきなり取って食ったしないから」


『……え?』


片目を開けアランを見上げると、
僅かに顔を赤く染めるアランの姿が
目にうつった。


「俺も聞いたばかりで、
気持ちがついていってねーの」


アランの話によると、
乗馬の稽古を終えた後に
ジルから夜伽のことを
聞かされたのだという。


「夜伽で決めるって
噂で聞いたことあったけど、
ホントだったんだな」


『……』


アランの言葉に月花が黙って俯くと、
そんな姿を見たアランが月花の額を指で弾いた。


『いたっ!何するのアラン……』


「そんな顔すんなよ。
俺じゃイヤなのかよ?」


『そ…そーゆー訳じゃなくてっ!』


「……じゃあ、なに?」


『だって…私と…その……』


「……」


アランは月花が何を言おうとしているか
察すると、口元を緩め、ふっと笑った。


「好きでもない奴とヤれるほど、
俺は器用じゃねーよ」


『アラン……』


「痛いことはしない。
…まぁ、手加減は出来ないかもだけど」


アランは月花の顎を掴んで上を向かせると
月花の唇に自分の唇をそっと押し当てた。


『っん…っ』


アランからのキスに
月花は何度も目を瞬かせる。

角度を変え、繰り返し落とされるキスは
次第に深くなっていき、月花の唇を割って
甘い音を響かせながら、
舌を絡めとる。


(息が…出来な…っ)


『んんっ……///』


月花の足が震えて立っていられなくなると
水音をちゅっ…と立てながら、
ゆっくりと唇が離れた。


『は…ぁ…ア…ラン……苦し……///』


月花はアランにしがみつき、
項垂れるように胸へと顔を寄せた。


「これくらいでへばってんじゃねーよ」

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