テキストサイズ

甘く、弾けて。僕はもう我慢できないから。

第6章 一人ぼっちで

「……ずりぃな…。神谷って」

裕翔が、ぼそっと小さな声で言ったから、「え?」と聞き返そうとしたら、裕翔が微笑みながら、こういった。

「あぁ、いいぜ? でも、優しく出来なくなっちまったけどな」

 ――裕翔が、にやっと笑った。

「それでも……いいか?」

 裕翔は、本当にかっこいいと思う……。

「うん……っ!」

 僕は、小さく微笑んで頷いた。

 その途端に、律動が激しくなる。
 ベッドが、キシキシと軋んで音を立てた。
 もう、壊れちゃうんじゃないかって思った。ベッドも、僕も。

 ふと、裕翔の顔を見つめた。
 不意にみた裕翔の顔に、余裕なんて全然なくて。あるのは、快楽に溺れ、必死に腰を振る、“ケモノ”の顔だけだった。

「ねぇ、……気持ち、いっ?」

 裕翔と目があって、僕はそう聞いた。
 そしたら、裕翔はさっと目をそらした。そして、小さな声で言った。

「……お、ぉう」

 目をそらした裕翔の顔は、耳まで真っ赤で。
 僕がいうのもなんだけど――可愛かった。

 裕翔は、それをごまかすかのように、激しく腰を振った。

 僕の脳は考えることを放棄して、頭の中は真っ白になった。


 そのまま、僕は自分の腹と裕翔の腹に、裕翔は僕の中に、果てたのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ