甘く、弾けて。僕はもう我慢できないから。
第7章 神聖な【Xmas】
――クリスマスイブ。
それは、神聖な日。
そして、街がリア充に独り占めされる日でもある。
リア充達が、街中でイチャイチャしている中、僕は一人、家でため息をついていた。
「ゆーとぉ……」
そう。
裕翔が、いつまで待っても来ないのだ。
――――さかのぼって、昨日の晩。
『神谷、起きてる?』
そんな、裕翔からの電話がきた。
僕は、眠たかったけど、裕翔からの電話ですぐに元気になった。
「うんっ、起きてるよ? どしたのー?」
僕は、誰もみていないのに大きく頷いて、そう答えた。すると、電話の向こうでクスッと笑う声が聞こえた。
『じゃあ、明日のことなんだけど……朝から大丈夫か?』
裕翔が、少し心配そうな声色で答えた。
「うん、大丈夫だよ! 今からでもいーよ?」
僕は、笑いながら、そういった。
もちろん、これは冗談だけども。それでも、ちょっとは会いたいという気持ちがあった。
『え。神谷、お前、明日が何の日かわかってる?』
え?
明日? なにか予定あったっけ。
クリスマスイブなんてとっくに忘れていた僕は、「え、何の日?」なんて聞いてしまっていた。
『マジかー……』
ため息と、呆れたような声が聞こえた。
えぇぇぇえっ!? どしたのっ!
僕は、慌ててそう聞こうとすると、
『明日9時。お前の家にいくから』
裕翔はそういって、会話を終了させてしまった。
えぇぇっ。何の日!?
と、慌ててカレンダーに駆け寄って確認する。
「クリスマスイブ」
そう書かれたカレンダーを見て、僕はうなだれた。
「うわぁ……忘れてたぁ」