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甘く、弾けて。僕はもう我慢できないから。

第7章 神聖な【Xmas】

――――――神谷 視点――――――

 ピーンポーン。
 インターホンがなった。と、同時に僕の胸も高鳴る。ドキドキしながら、玄関に走り出て行った。
 そして、ガチャ。ドアを開けた。
 すると、目の前にいたのは……愛しい彼の姿。

「ゆーとっ!!」

 裕翔に飛んで行って、ぎゅーぅと抱きしめる。
 すると、裕翔もにやっと笑って僕を受け入れた。そして、僕の耳元で囁く。――「メリークリスマス」。

 もう、それだけで僕の身体は反応してしまう。すぐに、裕翔にキスしようと顔を近づけて、目を閉じる。
 だけど……唇に当たった柔らかい感覚はなかった。ただ、硬くて大きい、裕翔の手の感覚が僕に伝わる。
 寒いところを走ってきたからか、裕翔の手は冷たかった。

「だぁーめ」

 そして、また優しく囁かれる。
 まさかの、お預けを食らってしまった。うぅ……辛い。裕翔とキスしたいよーっ! なんて、心の中で駄々をこねる僕は、ただのガキ。

「……ぅぅ」

 それでも、我慢はできなくて、裕翔を上目遣い+ウルウル目で見つめた。
 すると、裕翔は一瞬目を逸らした後で、僕に、キスしてくれた。
 でも、Dキスじゃなくて、バードキス。ちゅっ、と啄むようなキスには満足できなくて、裕翔にぎゅっと抱きつく。

「さ、この後はベッドで……な?」

 裕翔が、にやにやと笑っている。
 

 確かに……ここ、玄関じゃんっ!!
 もしかして、何人かに見られたかもっ! やばいっ、僕って本当にバカじゃんっ! これくらい、気づいて家に入ってからイチャイチャしたらいいことなのに………うぅ、恥ずかしい。

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