
For BL lover ・短編集:)
第1章 1・家庭教師
「あ、それ正解。」
「こんなん楽勝ー!!」
「あっそ。じゃあ、次これ。」
俺、瀬尾綾斗(セオアヤト)は家庭教師をやっている
誰のって、このクソガキ。
瀬尾優斗(セオユウト)高校3年生
恥ずかしいけど、この馬鹿は俺の弟だ
「綾斗・・・わかんねぇ」
「先生って呼べ。・・・あ?これ、さっきの公式だろ。馬鹿じゃねぇの、そんなんもわかんねーの?」
「あぁ。そーじゃん。ったく、最初からそー言えっーの。」
こいつまじでムカつく・・・
顔はいいけど、いいのは顔だけ
頭わりーし、性格は俺に反抗的だし
親父に頼まれて金もらわなかったら
こんな奴、ぜってー俺の生徒にしねー
めんどくせー奴だ
俺のこと嫌ってるしな
あ、ほら
すぐ難問にぶつかると寝るし
俺は教科書で優斗の頭を殴る
「ってー!!!!」
「寝るな。バカ。もう時間。終わり。この問題集半分、明後日までにやっとけ。返事は?」
「・・・・こんなに?・・はいはい、やればいーんだろ?やれば。」
「お前そろそろ本気で殺すぞ。」
そう言って綾斗は俺の部屋を出て行く
俺はそれを見て大きなため息をついた
全然勉強に集中できねぇ
俺たち兄弟は昔からことあるごとに、俺が反発し綾斗がキレる
それの繰り返しだった
俺が高校に入る頃には綾斗は大学に入り
それこそ兄弟で関わることもなかった
仲が悪い兄弟?!
そんなわけねぇ
俺は小学生の時から綾斗が好き過ぎて
まともに目を見れねぇ
今となっては軽蔑されたくねーし
嫌われたくねぇ
だから、つい反抗しちゃう
そしてそんな俺を綾斗は嫌いだ
嫌われるのは好都合だった
だけど最近我慢できねぇ
綾斗が好きだし
綾斗にかまってほしーし
綾斗と・・・・
っ、ほら、やべ・・・・
も、綾斗のこと考えたら
いっつもこーなる
俺もうどーしよ・・・
