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For BL lover ・短編集:)

第1章 1・家庭教師

がしっと腕を掴む

何年ぶりだ、ったく全力疾走させてんじゃねーぞ

「っ、離せ・・・も、俺やだ、」
「何が?そんなに俺が嫌いか。あ?」
「っ、も、・・・綾斗の馬鹿!!!」
「あー、うるせ。っ、家強制連行だな。」

ガッと道端で綾斗に担がれる

ちょ、降ろせ!!
と最初は暴れたが、降ろす気配もなく
俺は男に不意にキスされて
ホモだって笑われて
綾斗に嫌われた

それだけで、もう心はボロボロだった

どさっとベットに投げられ
綾斗が俺の前に仁王立ちした

久しぶりに入った綾斗の部屋・・・

「優斗さ、俺のこと冗談じゃなくて、まじで好きだろ。」
「え・・・!!そんなことねぇ!!」
「お前バレバレ。でも、さすがに兄弟はないなって思ってた。のに、俺、他の男にキスされてんのみて、ちょっと嫉妬した。」

え?なに?わかんな、い、

「優斗さー、俺にどーしてほしーわけ。」
「っ、・・・も、溢れ出しちゃって、わかんなくな、るから、・・・っ、」
「・・・お前可愛いな。なんだそれ。俺に反抗しかしねーくせに。」
「綾斗が、・・俺が綾斗好きって・・知ったら引くから・て・・隠してた、のに、っ!!」

そーゆーことか


突然すべての行動が腑に落ちる
だから、俺が機嫌よくて
こいつに絡む時に限って
こいつに怒鳴られたり反抗されたりしてたのか

俺が機嫌わりーとこいつ普通だったもんな

てっきり、俺が嫌われてるのかと思ってた


「優斗。・・・俺に何してほしい?」
「だっ、・・抱きしめ・・・っ、・て」
「はいはい。馬鹿だよな、お前って。も、黙ってろ」

あんな風に泣かれて
こんな風に好かれて
求められて

かわいい弟だそ?

いいのか?

そんな思いもあったが、いつも反抗しかしねーのにウルウルしたこいつの目をみてたら、そんなもん吹き飛んだ。

それに、知らない男にキスされてて
本当にあの男を殴りそうな衝動にかられたのもたしかだった

なんだ


優斗のこと


俺も結構好きだったんじゃん

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