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For BL lover ・短編集:)

第2章 保健室の鬼


「皐月!お前またこんなとこで!今日の授業なんにも出てないだろ!!!!」
「・・・・・今から早退しますよ。俺今日欠席でいいっすから。っゴホゴホ・・・んっ」

大人びているものの顔はまるで女で
少し華奢な男子高校生がそんなことを言う

咳き込んで・・・風邪・・・か?
なんかいつもより、顔白いな・・・
血の気がないっていうか
具合が悪そうだ


「おい。新人柿谷。どけよ、何しに来たんだか」
「・・・皐月、保健室行けよ。フラフラしてるし、具合が悪いんだろ」
「!!!はぁ!?さすが新人だな。保健室の先生、ゲイって噂だろ?そんなとこに行けるか、気持ち悪い!!」
「お前こそ何言ってる。御手洗(ミタライ)先生はいい先生じゃないか。ほら、おいで。連れてってあげるから」

そう言って、いつもは
俺の暴言に押されて何もできない柿谷が
ぐっと手首を掴んだ

「っ!!!ちょ、離せ!!!お手洗いのとこなんか行くかよ!!!てゆーか、何の権利があって俺に触ってんだ!!」
「お手洗いじゃなくてミタライって読むんだ。珍しい名字だけど、名字として変じゃない。そんなこと、言ったら失礼だろ?」
「馬鹿野郎!そこじゃなくて、手を離せってんだ!!!っ、ゴホゴホ・・コン・・ゴホゴホ・・・」
「いいから、行くぞ。ちょっとあったかいところで寝かせてもらえば、元気になるよ。そしたら、明日からまた授業に出る気になる。な?」
「も、行くから、っ、手・・・離せ!!バカ力!柿谷のくせに、なんなんだよ!!」
「お前のこと担任として心配してんだろ?」
「教師なりたてホヤホヤに俺の何がわかんだよ!!てめーのことでも心配してろよ!!」
「皐月は元気だな。・・・でも、体熱い。親は今日家にいるか?」
「っ、・・・個人情報乗ってる紙でも見ればわかんだろ!!!っ、ちょ、っと止まって、・・ゴホゴホゴホゴホっ、ゴホゴホ・・・っ、はぁ、・・ん・・・ゴホ」

保健室までズルズル引きずられるように歩いてきたから、少し息もあがり咳が我慢できなくなっていた

っ、も、なんなんだよ!!!

そう思いながら、咳き込んでいると
後ろから誰かに背中をさすられた



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