ナーバス BREAK DOWN
第2章 解逅
相馬がまた新しいタバコを取出した。
「若い嫁さんもらったんだから健康に気を使えば?」
道臣がたしなめると顔をしかめる。
「まぁ、追々」
相馬の気のない返事に笑いながら、なにげに辺りを見回すと控え室からウェディングドレス姿の花嫁が出てくるのが見える。
「おっ、仕度終わったみたいだよ。じゃ、僕は戻ろうかな」
道臣がそういうと、
「あぁ」
と相馬は返事をして、まだ火をつけていないタバコをしまった。
道臣は自分の席に戻り、隣の友人と談笑しながら視界の端で真実を捉えた。
相馬にはああは言ったものの、彼の恋が悲しい終わり迎えるとは限らないし、むしろそうならないように願っている。
(それに失恋したって、結局自分で乗り越えるしかないしね)
多分これきり会う事もないのだろう。
道臣はそう思い納得した。
その時、会場の明かりが落とされ、司会者の声が響いた。
『皆様、長らくお待たせいたしました。新郎、新婦お着物からタキシード、ウェディングドレスへとお色直ししてのご登場となります。皆様盛大な拍手でお出迎えいただきますようお願い申し上げます。
それでは、新郎、新婦入場です!』
われんばかりの拍手のなか、相馬と花嫁がスポットライトを浴びながら入場してきた。
バリバリ緊張した相馬の顔が笑える。
(ともあれ、幸せそうでよかった)
道臣が真実と再び会う事になるのはそれから10ヶ月程後の事だった。
「若い嫁さんもらったんだから健康に気を使えば?」
道臣がたしなめると顔をしかめる。
「まぁ、追々」
相馬の気のない返事に笑いながら、なにげに辺りを見回すと控え室からウェディングドレス姿の花嫁が出てくるのが見える。
「おっ、仕度終わったみたいだよ。じゃ、僕は戻ろうかな」
道臣がそういうと、
「あぁ」
と相馬は返事をして、まだ火をつけていないタバコをしまった。
道臣は自分の席に戻り、隣の友人と談笑しながら視界の端で真実を捉えた。
相馬にはああは言ったものの、彼の恋が悲しい終わり迎えるとは限らないし、むしろそうならないように願っている。
(それに失恋したって、結局自分で乗り越えるしかないしね)
多分これきり会う事もないのだろう。
道臣はそう思い納得した。
その時、会場の明かりが落とされ、司会者の声が響いた。
『皆様、長らくお待たせいたしました。新郎、新婦お着物からタキシード、ウェディングドレスへとお色直ししてのご登場となります。皆様盛大な拍手でお出迎えいただきますようお願い申し上げます。
それでは、新郎、新婦入場です!』
われんばかりの拍手のなか、相馬と花嫁がスポットライトを浴びながら入場してきた。
バリバリ緊張した相馬の顔が笑える。
(ともあれ、幸せそうでよかった)
道臣が真実と再び会う事になるのはそれから10ヶ月程後の事だった。