テキストサイズ

ナーバス BREAK DOWN

第2章 解逅

友紀はますます表情を雲らせた。

「どういう事?」

真実は両手で頭を抱えて呟いた。

「変な薬飲まされた…MDMAだって…」

「なっ?!」

友紀は絶句し、暫く固まっていたが、低く吐き捨てた。

「やっぱ、アイツ殴っときゃよかった!」

それから友紀は真実の肩にに労るように手をかけた。

「帰ろう。真実」

真実の具合がかなり悪く、二人は駅前でタクシーを拾った。

「これから塚本が卒業するまで一人になるなよ。必ず誰かと居るようにして。登下校は絶対俺と一緒だから。いいね?」

タクシーの中で友紀は真実に言い聞かせた。

何度も念を押されて真実は

(申し訳ないな)

と思いながらもうなずいた。



真実と友紀が用心するようになってから、時々鋭い視線は感じるものの、塚本が近づいてくる事はなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ