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「もうっあなた全然ダメじゃないの！
有川様…？私が代わりにいれますわ。」


そういうと夕夏さんは勝ち誇ったようにして私からグラスを奪った。


私はお酒を作らなくてすんだと思い内心ホッとした。



「うるさい」


「え？」


夕夏さんが氷を入れると低く静かな声が響いた。

笑顔で夕夏さんが、声を発した有川様を見る。



「俺はこいつに酒をいれろって言ってるんだ！！」



有川様は突然勢いよく怒鳴り出すと、私と夕夏さんだけでなくその場にいたみんなが目を見開いた。



「でっでも、この子新人でお酒の入れ方さえ…」



「出てけ。」



「え？」



「出てけと言っているんだ！！俺の言うことを聞かないやつなんか目障りなだけだ！こいつ以外全員この部屋から出ろ！」



有川様は私を指差しながらすごい剣幕で夕夏さんとその他に向かって怒鳴り出した。



わ、私以外…？！


そんなっ…



びっくりしながら夕夏さんの様子を見ると、
夕夏さんは下唇をギュッと噛んで、ワナワナしながら私をきつく睨み付けた。



怒っている…
ただの怒りじゃない…
No.1のプライドを傷付けられた、強い女の怒りがそこに見てとれた。



夕夏さんはチッと舌打ちをすると、失礼します、と無愛想に言って、周りの先輩たちを引き連れ部屋を出ていった。