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最初で最後の恋

第13章 隠された想い

誰もいないと思っていた部屋の中には、ひとり女が立っていた。


暗くてよく見えないが、この場所に来たということは俺に会いに来たはずだ。

俺は強がった口調で呟く。


「…あれ、約束もしてないのに女がいる」


女に近づき、俺は彼女の顎に手を伸ばした。


「俺に抱かれに来たわ…け…」


よく顔を見ると、見覚えのある顔だった。



「あ…あんた確か、澪の……」


バスケコートで澪と出会ったとき、隣にいた女だと思い出した俺はすぐに彼女から離れた。

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