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最初で最後の恋

第14章 重なり合う想い

そのとき、ガタンっと教室のドアが動いた。


あたしははっと顔を上げると、その先にいたのは……




「神田…くん……」


ついこないだまで隣にいた彼の姿。


「…!!お前…澪、か?」


そう言ってゆっくりとあたしに近づいてくる神田くん。

そして、そっと壊れ物に触るみたいにあたしの頬に触れた。


あぁ、この温もり。


すごく、久しぶりだ……  


「…会いたかった」


あたしは神田くんを見つめたまま、想いを口にする。


神田くんは一瞬目を見開いたけど、またいつもの柔らかい表情に戻った。


「こんなに…痩せちまったんだな。

もともと細いのに、こんなになるまでどうして……」


え……


あたしが痩せたって、わかるの?
 
あたしのことは遊びだなんて言ったくせに…どうしてわかるの…?

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