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最初で最後の恋

第16章 新たな不安

「あたしたち、同じ痛みを持った者同士だからこそわかりあえたんじゃないの?

でも、彼女…神崎さんは、違うんじゃない?



なにも知らない。平凡な幸せの中で生きてきた子に、あたしたちの痛みがわかるの?」



忘れかけていた。いや、忘れたふりをしていた。


そうだ。俺には、消すことのできない過去がまとわりついてる。それを…澪は理解してくれるだろうか。


早苗は、俺の過去も含めて愛してくれていた。


そんな相手の方が、俺の幸せになるのかな。


「蓮も自分の過去を知られたくないだろうけど、あたしだってそうなんだよ?

この過去があるせいで、蓮以外の人とは付き合ってもだめなの。
誰に話しても、理解どころか避けられた。


だからこそ、あたしのこともわかってくれる蓮じゃなきゃだめなの」

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