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最初で最後の恋

第5章 たとえ偽物でも

「学校で会う時間だけじゃ足りないよ。

こうやってほんの少しの帰りの時間でも一緒にいたいからさ。気にすんなよ」


あたしの頭に置かれた手がふわふわと優しく撫でられる。


神田くんと一緒にいると、新しい発見ばかりでドキドキが止まらなくなる。

誰かに撫でられるのってこんなに嬉しいんだなとか、傍にいてくれるだけでキュンとするとか。


周りの友達が言っていた通りだ。


こんな気持ちを感じることができる恋愛って、すごく素敵なんだろうな。


「ありがと、神田くん。

じゃあ、また明日ね」


神田くんの手を少し握りしめたあと、あたしは駅の改札へと向かった。


神田くんはあたしが見えなくなるまで手を振って見送ってくれた。

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