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最初で最後の恋

第7章 本当の初めてをあなたに

坂道を下ったあたしたちは、神田くんの家に行くことになった。


木造の広々としたお家で、神田くんがここで育ったんだなって思うと、子供の頃の神田くんを想像できるような気がした。


「おじゃましまーす…」


「今は誰も住んでないよ、ここ」


ええっ。


誰もって…どういうこと??


「ガキの頃住んでたってだけで、今は空き家になってるんだ。時々俺が来てるから掃除してるけど」


中に入ると、確かに誰も住んでないようには見えないくらい建物の中は奇麗に整頓されていた。


「お父さんとお母さんは…?」


聞いてはいけないかもしれないけど、気になってしまったことを聞いてみる。

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