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最初で最後の恋

第9章 突きつけられた現実

「いいよ、香奈。聞きたくない」


あたしは荷物を持って帰ろうとした。

香奈たちの表情でなんとなくわかる。きっと神田くんが他の女の子と浮気してるんだろう。でも。


それを知ったって、神田くんを好きって気持ちは消せない。


だったら、知らないふりしていた方が楽に決まってるもの。


「待ってよ澪!お願いだから、自分自身から逃げないで…」


そう言ってあたしの腕を掴む香奈。
その顔は、今にも泣きそうな涙をこらえている。


「香奈…」


すると、隣にいた透くんが口を開いた。


「澪ちゃん。これから話すこと、落ち着いて聞いて欲しい。

聞きたくないだろうけど、澪ちゃんは聞かなきゃいけないと思うんだ」

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