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俺の運命の相手が、男だった件について。

第1章 ありえない運命だった件について。

「いや…その顔ったって…」

俺の訴えに、困ったように頭をかく玲。

そんな俺たちの会話を女の人も困ったように見つめていた。

俺だって…

俺だって、もしこれが俺じゃなかったら…応援だってしてやるよ。

ホモとかゲイとかレズとか、
そーいうのに偏見は持って無いつもりだったから。

…でも、それが自分の事だとしたら話は別だ。

いや…もしかしたらこの時点で、偏見というものを無意識に持っていたのかもしれない。

他人事なら、どーでもいいから偏見なんて無いって思ってたのかもしれない。

その証拠に…同性愛について、俺は引きもしなかったが、好感も持てなかった。

あーーっ!もう!

今はそんな事考えてる場合じゃないんだよ!!

だいたい、アレだろ!?
運命だからといって、運命の相手に出会わず死んでいく人だってたくさんいるんだから!

そんなに気にする事でもないだろ!?

"運命の相手"だなんて、ただの飾りでしかないんだから!

…ま、確かに女の子であって欲しかったのは事実だが…

……ん?

「あっ!!そ、そーだよな!
運命の相手だからって、俺とソイツがどーなるとか決まった訳じゃねーじゃんなぁ!」

「…え?」

俺の発言に、少なからず驚いた声を出す玲を放置して、俺はまた自分の世界に飛びこむ。

一人パニックに陥ったところで、思わぬ光がさしこんできた。

そうだ…合わなければ運命も何も無いじゃないか!!

それに…

俺は、占い師の女の人をゆっくりと視界に捉える。

ここには、今人気の占い師がいる。

出逢い方まで解るんだ。
逆に、どうしたら出逢わないか、も解るに違いない。

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