テキストサイズ

俺の運命の相手が、男だった件について。

第1章 ありえない運命だった件について。

「男の、方…です……」

「………─はい?」

最後は伏し目がちに言い切った女の人…

やっぱり、決心したと言っても言いずらい事に変わりはないからな。

なんて思う前に、口から困惑の声がでた。

「い、今…え?」

玲も同じように困惑しているようだ。

そりゃそうだ。

この女の人の尋常じゃない戸惑い方に、自分がした想像も普通のモノでは無かったが…

その、どれにも当てはまらない。

当てはまるどころか、その想像の方が何倍もましだったとすら思える。

だって…認めたくは無いが…
まだ異性なのだから。

「……事実です。
あなたの運命の相手は──」

「うあぁあああっ!!」

ビクッ

女の人がもう一度改めて口にしようとした言葉を、思わず叫んで止めてしまう。

いやだ…聞きたくない!!

「な…なんだよ。びびんだろ?
…気持ちは解るけど…」

俺の断末魔の叫びに、肩を震わせた玲は、いつもならもっと文句を言うはずなのに…

少し俺を憐れむように、優しく諭した。

「っ…おっまえ!!
その顔やめろっ」

玲を思いっきり睨み付け、涙めで訴える。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ