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俺の運命の相手が、男だった件について。

第2章 イケメンだった件について。

次の日。

「あー、明日から週末に入るが──」

帰りのホームルーム。

怠そうに話す担任の声が右から左に抜けていく。

俺は頬杖を付きながら、昨日の事を考えていた。

つか…よく考えれば、あの占い師が言った事が当たるとも限らないよな…

玲のがたまたま当たっただけで…

未来が見える。なんて、普通信じられる話じゃねぇよ。うん。

だいたい、大抵の占い師は、口が上手いんだよな。

それで客を信じ込ませて、そういくように仕向ける。

客もそう思い込むから、少しでも当たれば「やっぱり」って思い、もっとハマっていく。

ようはアレだ。
気持ちの問題なんだよな。

そう思い始めると、この学校に本当にソイツが来るのかどうかも怪しいものだ。

「──あぁ、忘れるとこだった。」

スッキリと自己解決したところで、担任の声がハッキリと聞こえ始めた。

「来週の月曜日だが、うちのクラスの副担だった鴨柱先生が定年退職した変わりに、新しい先生が来て下さる事になってるからな。」

「…えっ!?」

ガシャンと音を立てて、俺は勢いよく立ち上がってしまった。

ヤバイ…と思い急いで座ったが、驚いたように担任がこちらを向く。

「おー、何だ海津ー?」

「あ…いえ。」

「そうかー?お前が大声出すなんて珍しいなぁー?」

びっくりした…

まさか、本当にくるのか…?

せっかく見いだした希望が、音を立てて崩れていく。

ボーっとしているうちに、ホームルームは終わっていて、気づけば横に玲がたっていた。

「まさか本当に来るとはねー…
しかもうちの副担。」

「…最悪だな。」

本当最悪だ。

来週の月曜日には、おれの運命の相手だとかいう"男"が"先生"としてやってくる。

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