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俺の運命の相手が、男だった件について。

第2章 イケメンだった件について。

「最悪…か。
まぁ確かにそうだけど、まだ解らないんじゃない?」

「え…」

玲は、考える素振りを見せて、口を開く。

「だってさ?もしかしたら、ソイツ…めっちゃ不細工かもしんねーよ?
50代のおっさんとかな!」

「おっさん…」

何処かで聞いた事のあるフレーズに、記憶を遡る。

あ…

そーだった…。

俺、あの占い師が俺の運命の相手を俺に言うか迷ってた時…

そんな酷い感じの想像したっけな……。

あの時は"おばさん"だったけど…

うん。そーだ。そーだった。

運命の相手だからといって、俺がソイツとくっつくとは限らない…

「よし、俺決めた。」

「んー?何をー?」

俺の決意の眼差しに、玲は優しく微笑んで聞き返す。

「なんか…お前に助けて貰ったみたいで嫌だけど……

俺、運命ってやつを変えてやるよ!

…いや、変えるっつーか…運命の相手とくっつくっていうツマンネー理屈を覆す!!」

「…そっか」

熱くたぎる俺はすっかり、モンスターを倒しに行く前のゲームの主人行気分だ。

だから…玲が呟いた、

「じゃぁ、従っても良いって思える運命なら……朔はどーするんだろうね?」

この言葉も、笑って受け流した。

"好きになるはずが無い。"

俺はこの気持ちを仮定していたんだ。

"運命"は"未来"は…

誰にも解らないのに───

良い意味でも…悪い意味でも…。

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