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俺の運命の相手が、男だった件について。

第1章 ありえない運命だった件について。

それは…あまりにも突然やって来た。

「……は?」

───────

その日は、いつもと何ら変わりなくやって来て、いつものように、ダチと楽しい事を探してはバカやるような…

そんな、あまりにも普通過ぎる日だった。

そう…アイツが…

男のくせに恋バナ好きの友達。

横山(ヨコヤマ)玲(レイ)が、あんな事を言うまでは。

「おいおい!朔(サク)!

…無視すんなよな!海津(カイズ)朔!」

「んだよっ、うっせーなぁ」

「今日の放課後さっ、最近よくあたるって噂の、"占いの館"いくべ!?」

…占いの館?

あまりにも胡散臭い名前に、俺は顔をしかめる。

「そんな、あからさまに嫌な顔すんなよ!何かな?恋の悩みとか…恋愛関係の事が、すっげー当たるらしい!」

「恋愛…?」

「そーそー!」

恋愛か…。

そーいえば…─

生まれてこのかた、"そうゆう事"には無縁だった気がする。

好きな子は居たことあるんだけど…

いつも片思い。

別に不細工って訳ではない。…と思う。

つか、割りとモてる方だと自負してるしな。

ただ、悲しい事に好きな子には何故か好かれない。

…そろそろ運命の相手に出会いたい

…なんてバカみたいなことを本気で思うくらいにはヤバイ状態になってきてるし…

恋愛というのに興味が無い訳でもなければ、

最近、"これ"と言って楽しいこともなかった。

こー考え始めると、胡散臭いからこそ、そそられるモノはある。

「うし、決まりだなっ」

俺の無言を、肯定と見なしたのか、玲は笑顔で言った。

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