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俺の運命の相手が、男だった件について。

第3章 ありえない脅しの件について。

廊下で立ち話もなんだな…と、自分の部屋へ歩きながら、玲の答えを待つ。

「あ、バレた??」

まさかとは思っていたが、この返しからして、本気でこの状況…

詳しく言えば、俺のこの状況を玲は楽しんでいたようだ。

「何がバレた??だ!何がおもしれーんだよ!くっそも面白くなんてねーよ!」

部屋のドアを開け、電話越しで玲に叫びながらベッドにダイブする。

ボフンッとスプリングが軋む。

「いやー、だってさ?これ、当事者以外が聞くと、ガチで楽しいぞ!

…運命の相手が、同性のイケメン教師とか…ハハッ、爆笑」

もう隠そうとすらせずに笑う糞野郎。

今、電話じゃなく目の前に居たら、間違いなく殺っていただろう。

「…はぁ。もーいいよ。今日はどうもな。また明日。」

これ以上話してると、頭が痛くなりそうで俺は電話を切ろうとする、が、

「あっ、ちょっと待ったっ」

という玲の少し焦り気味の声で、なんとかボタンを押そうとする指をギリギリで止める。

「なんだよ?」

「…あんまり悩むなよ。
ていってもダメだろーから、本気で困った時は、またあそこ行くべ?」

「…あそこ?」

自分の部屋のベッドということもあり、だんだん落ち着きを取り戻す。

だが、同時に睡魔も押し寄せて来て…

軽く意識が遠退いて行く中、朦朧と玲の言葉を繰り返した。

「そ。"占いの舘"さ。」

占いの舘…─
俺の残酷な運命を告げたあの舘。

「あ…そっか」

でも、それは光りでもあるのかも、知れない。
迷った時に、正しい道に導いてくれるのは、あそこなのかもしれない。

まだ、俺には頼れる強い味方がいた。

ふと目線を上げれば、姉から貰ったクマのぬいぐるみが、さっきの震動で倒れたらしく、横向きでこっちを見つめている。

おまえも……俺の味方だよな。

「俺も一緒に行ってやっかんな!」と行って通話を切った玲。

もう1つの希望と、心強い言葉をくれた玲に感謝しながら、俺は意識を手放した…──

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