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俺の運命の相手が、男だった件について。

第3章 ありえない脅しの件について。

玲の話が正しかったとすれば、完全に俺は、アイツにとる態度をしくじった事になる。

何て言う事だ…

"運命の相手"なんて言う変なレッテルさえなければ、俺だってアイツに普通の態度を取れていたはずだ。

覆えす、何ていう、変な対抗心さえなければ……

運命の相手だと知ったからこそ、俺は今、こんな状況に陥っている。

そう思い始めると、これも運命だからか?

なんて思ってしまう。

「…朔?大丈夫か?」

ずっと黙りこんでしまっていた俺を心配したんだろう。

玲は、探るように聞いてきた。

「おう」

最悪な方向へ考えてしまっていたから、話し掛けてもらって助かった。

短く、大丈夫だ、と応えると玲は苦笑したように息を漏らす。

「ま、明日から大変だろうけど。お前が抵抗する限り、俺も力にはなるから。」

とても有り難い事を言って貰ってるのは確かなんだが…

普通なら、ほんとに泣きそうなくらい嬉しいんだが…

「お前、やっぱり楽しんでねーか?」

玲の声に含まれる、楽しそうな声色がどーも気に入らない。

こちとら本気で、こんな運命ごめんだってのに!

何を楽しんでるんだコイツは!?

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