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秘密の派遣業務

第39章 動き出した時間

桐沢「やっぱり紗江はずっと我慢していたんだ…。」

そう思うと胸が熱く痺れた。

手紙の文面からはいかに紗江が想いを募らせていたかが窺えた。
待って…待って…やっと紗江から欲しい言葉以上の言葉を貰った。

だからこそ、もう自分自身が待てなくなった。
直ぐに飛んで行きたい気持ちをグッと堪えて…
全てにケリを付けた。

もう…俺は迷わない。
紗江が平凡な日常の中で俺を選んでくれたんだから…。

手紙に書かれていた『今目の前にある幸せ』とは誰か他の男の事だろう。
紗江の周りにそう言う奴が居る。

そう思うと少し妬けたがそれで紗江は俺の言った言葉の意味に気付いたんだ。

視界の彼方に目指す埠頭が見えて来た。

桐沢「あそこに…紗江が居る。」

そう…約束の土曜日だった。

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