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豪邸の一室…
スーツ姿の父・直人が、ディスクに座りパソコンを操作していた。
　
　
　
「お父さん」
　
「っ！？」
　
　
　
突然聞こえてきた娘の声に、父・直人は驚いて勢いよく立ち上がった。
　
視線の先には美李亜とシンの姿があり、不意をつかれたように一瞬言葉を失ってしまった。
　
　
　
「美李亜っ…
　…一体‥今まで何をし　ていたんだっ」
　
「わたしの大切な人…
　シンさんといました」　
「シンと申します
　美李亜様を心から愛し　ています」
　
「なっ…」
　
「お父さん
　わたし‥シンさんと結　婚します
　それを言いにここに来　ました」
　
「いきなり何をっ
　坂野上くんは警察に捕　まるわ
　お前は突然いなくなっ　てどれだけ心配したと　―――」
　
「これっ！
　式の場所と日時ですっ　一応渡しておきます」　
　
　
最後まで聞かないとばかりに、美李亜は強めにそう言うとディスクに招待状を置いた。
　
　
　
「お父さん…
　今‥わたしすごく幸せ　っ」
　
「っ‥‥」
　
　
　
幸せそうな笑顔を向ける美李亜に、父・直人は言葉に詰まった様子で無言で見つめた‥‥
　
　
　
「では‥失礼します」
　
　
　
礼儀正しく一礼した後、シンと美李亜は静かに部屋を出て行った―――‥‥‥‥