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好きなの

第2章 過去

1年前。高校1年だった私は松樹先生が好きだった。
私の理想そのままで若くて、優しかった。
夏休み前に私は先生に告白して、先生は渋ったけど卒業するまではデートも手を出したりもしない。そういう約束を私にして許可した。

デートもそれ以外もできないけど私は幸せだった。

夏休み最後の日。
遊び帰りの私の目に入ってきたのは紛れもないあの人だった。

「先生!!!!!!」

先生を久しぶりに見た私は嬉しさで叫んでいた。

「美月!!」

先生も私に気づいて手をふってくれた。

外では名字呼び。
でも文句ない。
ああして手を振ってくれるだけで充分。

「先生も帰り?」

先生の様子がいつもと違ったけど、気にしなかった。

「うん、まあ。少し座る?」

先生は近くのベンチを指差して聞く。

「うん!」

私は最高に浮かれていたんだ。きっと。。。

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