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好きなの

第5章 先生の束縛

(へー意外とかわいいじゃん)

人のアルバムはたとえ憎い人のでも微笑ましく思ってしまう。
何冊も見ているうちに最近のアルバムを見つけた。

(あ、今の先生とあんまり変わらないな)

パラパラとめくっている時ふとあるページが目についた。

(あれ、この写真……)

「何しているの。これは見てはいけないよ。」

いつの間にか後ろにいた先生に取り上げられてしまった。

「あ、、先生今の写真……」

「早く食べよう、さめないうちに」

先生が作ってくれたパスタはすごく美味しかった。
先生料理上手なんだ。

「ねえ、しえる。しえるは、今1人だっけ?」

急に名前でドキッとした。

「え、、うん。両親は海外だから。」

私の両親は海外出張中。めったに帰っては来ない。

「そうか、ふーん。ねえ、今日泊まっていきなよ。大丈夫、可愛がってあげるから。」

先生は意味深な言葉を言った。
でもそれに答えられなかった。
私の意識はすでに朦朧としていたから。

「ごめんね、君のためだから。好きだよしえる……」

そんな言葉を遠くで聞いた気がした。

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