私の掏明くん
第12章 掏明のいない日々
千尋「…」
伸一「颯太から聞いてると思うけど」
千尋「えっ?」
伸一「結婚、破談になったんだ…」
千尋「…聞いてる」
伸一「千尋のせいじゃないから」
千尋「そんなわけ」
伸一「俺の子供じゃなかったんだ」
千尋「…どういう事」
伸一の結婚
それは子供が出来たから
いわゆる、できちゃった結婚だった
酔った勢いでホテルに行き子供を作って
しまった
伸一の子供なら父親である伸一がちゃん
と責任をとるべきだったが…
伸一「あの後、本当の父親が現れて…俺
は用無しになったってわけ…」
千尋「彼女は…彼女は最初から知ってた
の?父親が誰なのか」
伸一「…多分ね」
千尋「酷い…」
伸一「酷いのはお互い様だよ、俺だって
結婚式であんな事…」
千尋「それは…そうだけど…」
伸一「…」