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私の掏明くん

第14章 辛い現実



千尋「父親なんだよ、また会いたいとか
話したいとか思わないの?」

一輝「思いません」

千尋「どうして」

一輝「簡単な事です、どんな理由にしろ
僕やママを残して自殺したパパが許せな
いんです」

千尋「でも…じゃあ…じゃあ何で一人で
会いに来たの?お父さんに会いたいから
でしょう」

一輝「目覚めた時、一番に会いたいから
です」

千尋「やっぱり」

一輝「一番に会って文句を言いたいだけ
最低な父親だって、だから会いに来たん
です」

千尋「その為に…その為だけに」

一輝「帰ります」

千尋「あっ、待っ…」

掏明「…」

千尋「…」


掏明に止められ
後を追いかける事が出来なかった
家族なのに、父と子なのに仲が悪いとい
うか
息子は父親を憎んでいた
悲しいほどに…


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