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私の掏明くん

第19章 図書室ではお静かに



千尋「匂い、大丈夫かな…」

掏明「大丈夫だよ」

千尋「…」


手分けして
散らばった本を棚に戻した
汚してしまった本はハンカチで丁寧に拭
き取り
匂いが残っていないか
入念に確認した


千尋「麗子先生、もう帰ったかな…」

掏明「どうだろう、でも待ってそうだね
千尋の事」

千尋「待ってたら言わなきゃ…」

掏明「何を?」

千尋「私には好きな人が大事な人がいる
から麗子先生とは付き合えないって…そ
うはっきり言わなきゃ…」

掏明「そうだね」

千尋「…」


乱れた服を整え
準備室を出た千尋と掏明
図書室に生徒達の姿はなかったが
案の定、麗子は千尋が戻って来るのを待
っていた


麗子「千尋先生、どこ行ってたんですか
いないから心配してたんですよ」

千尋「…麗子先生」

麗子「何?」

千尋「麗子先生に伝えなきゃいけない事
があります」


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