テキストサイズ

私の掏明くん

第22章 辛い記憶



掏明「だけど誰でもよかったわけじゃな
い、千尋だったから…」

千尋「私だから?」

掏明「千尋だったから俺はこの世に残れ
た、千尋じゃなかったらきっと…とっく
に消えてた」

千尋「掏明…」

掏明「ありがとう、ありがとう千尋」

千尋「掏明」

掏明「ありがとう」

千尋「…」


胸騒ぎがした
掏明が消えてしまうような
一緒に過ごした思い出が消えてしまうよ
うな
そんな気がして
不安でたまらなかった


千尋「…」

掏明「そろそろ電気消すよ」

千尋「ねえ…」

掏明「?」

千尋「お願いがあるんだけど…」

掏明「何?」

千尋「私貴子さんと話したいの、だから
明日、彼女の家に行ってもいい?」

掏明「…それは」

千尋「元に戻る為には掏明だけじゃない
貴子さんや一輝君、家族の協力が必要だ
と思うの、だからお願い…」

掏明「…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ