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私の掏明くん

第26章 それから…



東矢「…」


貴子と別れた東矢
その足で千尋が働く学校へ向かった
掏明の頃は人目も気にせず校内に入れた
が今は違う
無断で入る事は出来ないし
もし入ったら千尋に迷惑をかけてしまう
だから今は
校門の前で千尋が出て来るのを
待つしかなかった


東矢「…」

千尋「お疲れ様でした、お疲れ…」

東矢「お疲れ様」

千尋「東矢、どうしたの?」

東矢「約束、果たそうと思って…」

千尋「約束?」

東矢「まずはこれっ、貴子から」

千尋「貴子さんから?」

東矢「今日スーパーで偶然会って…近々
再婚するんだって、だから養育費はもう
必要ないって」

千尋「何これっ、いくらあるの?」

東矢「500万くらいかな?」

千尋「500!?」


渡された分厚い封筒
その中身は一万円札の束が
3年間、東矢が必死に働き振込み続けた
500万円もの
大金だった


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