私の掏明くん
第7章 生徒の為なら
千尋「…」
掏明「どうしたの?難しい顔して」
千尋「明日の事考えると、ちょっと憂鬱
でね…」
掏明「問題児なの?」
千尋「その逆、優秀なんだけど家庭の事
情で進学しない、出来ないって…」
掏明「大変だね」
千尋「…」
優秀だけど
家庭の事情で進学出来ない生徒
彼自身、進学か就職か、どうしたいのか
まだわからなかったが
彼が進学を望むのなら彼の担任として
精一杯の事をしたいと思う
千尋だった
千尋「あれっ、鈴木君のご両親は?」
鈴木「すいません、どうしても仕事が休
めなかったみたいで」
千尋「そっか…」
鈴木「先生、俺一人でも平気です」
千尋「…わかったわ、じゃあ二人だけで
始めましょうか」
鈴木「…すいません」
彼の家は母子家庭で
母と子、二人で暮らしている
家庭訪問でも母親は仕事で会う事は出来
ず
今回も仕事で
会う事は出来なかった