私の掏明くん
第7章 生徒の為なら
掏明「あれっ、一人?」
千尋「(小声)母親は仕事だって、大事
な話するから静かにしててね」
掏明「は~い」
千尋「…」
向かい合うように座り
進学、就職について話し始めた千尋
だけど事前に聞いていた通り、彼は進学
せず
就職の道を
選んだ
千尋「家庭の事は聞いてます、でも鈴木
君は成績優秀だし、奨学金制度とか」
鈴木「…ありがとうございます、でも母
と話し合って決めた事だから」
千尋「鈴木君…」
鈴木「それに僕、今月で学校辞める事に
決めたんです」
千尋「辞めるって…どうして?」
鈴木「…やっぱり生活が苦しくて…僕も
早く働かなきゃって…」
千尋「…」
鈴木「でも嬉しいです、僕の為に先生が
ここまでしてくれて」
千尋「それは…」
鈴木「僕、先生が好きです」
千尋「えっ?」
鈴木「好きなんです、先生が」
掏明「愛の告白だね」
千尋「…」