私の掏明くん
第8章 憧れのマドンナと
男子①「何か食って帰ろうぜ」
男子②「悪い…今日から塾でさ…」
男子①「塾!?」
男子②「親父がうるさくて…」
掏明「…」
生徒同士の会話
何気ない会話だったが
親父、塾、その言葉を聞いた瞬間
脳内にノイズが走り壊れたテレビのよう
に白黒で
砂嵐の映像が
一瞬だけ脳裏に映し出された
掏明「…今のは、子供?」
一瞬だけ見えた映像
それは自分が小さな男の子と一緒にいる
心がほっこり
ほのぼのする映像だった
掏明「…ダメか」
何か思い出せそうだったが
すぐにまた暗闇に砂嵐に戻ってしまい
記憶を取り戻す事も記憶に関する手がか
りを手に入れる事も
出来なかった
掏明「…」