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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

土屋を引き剥がし、玄関に向かう。


「ちょっと!帰るの!」


「ウザい!もうオマエの気紛れに付き合う気ないから!二度と会わないよ!」


「え…ウソ…。」


キレやすい俺でも、実際女子にハッキリ言う事は、今まで無かった。


キレる前に、フラれてたからもある。


「冗談…そんな怒る事~?」


馬鹿にすんなよ!


きっと、今までだって、こんな振り回してるのは、俺だけじゃないだろ。


無言でジロリと、一睨みして。


「頑張れよ。じゃあな!」


一言残して、勢い良くドアを締める。


「嘉之!ごめん!待ってよ!」


土屋の言葉は、バタン!と鳴ったドアの音に飲み込まれて、聴こえなかった。

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