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不器用なタッシュ

第6章 不安

引っ越しが落ち着いて、久々に香織に連絡をする。


『香織、今晩会える?』


返事は、直ぐに来た。


『大丈夫!』


思わず口元が弛む。


『じゃあ、最寄り駅まで迎えに行くから。』


『分かった!ありがとう!』


企画選考の作品や引っ越しやらで、余り眠れてないけど、香織に久々に会えるとなって、気持ちが落ち着いてきた。 


正直、最近気持ちがピリピリしている。


今度は企画のコンセプトやインテリアにも合わせて、作品を数点提出しないといけなかった。


自由に描くのとは、また違う。


他人に与えらたコンセプトに合わせるのなんて、苦手以外ない。


けど…ここでミスるのも逃げ出す事も出来ない…。


それは香織の顔に、泥を塗るからだ。


だから、完璧なモノを作らないといけなかった…。

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