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不器用なタッシュ

第6章 不安

締め切り前日の木曜日。


香織は俺の好物のクリームシチューを作ってくれていた。


あと少し…もう少しだ…。


「終わったぁ~!!」


「出来たの!?」


俺はニヤリと笑い


「あぁ、終わった。」


「凄い…。」


作品を見た香織は、感動してくれた。


俺は後ろから抱き締めて、頭に自分の頭を寄せた。


感泣してる香織の涙を指で拭う。


「独りだったら、こんなの描けなかったな…。」


「へっ?」


「香織…ありがとな…。」


「ううん!嘉之が、頑張ったんだよ!タイトルは?」


「Caro…。」


耳元で囁きながら、久々にキスをした。


香織が通い詰めになってからの初めてのキス。


《Caro spazio》 
『愛しき空間』


君との今と未来をイメージしながら…
『願い』を込めて描いたんだ…。


香織は、ずっと傍にいてくれるよな…。


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