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不器用なタッシュ

第6章 不安

香織の会社の近くで、辻さんと、もう一人のアーティストに合流する。


ミーティングルームに案内されると、明らかにビジネスマン的な風貌の人たちが居並ぶ。


同じスーツ姿でも、違いが解る。


慣れない…この雰囲気…。


出されたお茶を一口啜り、渇く口を潤した。





会議は始まり、香織のプレゼンは見事だった。


パワーポイントで作った資料をスクリーンに映し出し、朗々と説明していく。


香織の仕事をしている姿は初めてみるが、普段の隙ありっぷりから想像が付かないくらいしっかりしていて…カッコ良かった。


説明が終わり、香織か質問を受け付けると、広告代理店の『梶』ってオッサンが、質問してきた。


変な質問すんなよ!


オッサンの質問は


「質問は…渡辺さんが、一番打ち出したいと言いますか、メインは何を持ってきたいですか?」


「メイン?」


「はい…家具やインテリアの中で…今回の主役です。」


主役~?


ソファーか…テーブルか?

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