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不器用なタッシュ

第6章 不安

落ち込んでると思ったのか、香織は


「嘉之は、ずっと頑張ってたよ!だから、今回もきっと成功するよ!みんな一生懸命やってくれてるし、今日の梶さんもね、ちゃんと思いを伝えられるように頑張るって言ってくれてたよ!」


嬉しいけど、オッサンの名前に気分は余り良くない。


「あぁ…あん人ね…。」


何か意味深で、引っ掛かる。


黙りこくると、焦った風に話を盛り上げ様としているところを


「あのさ!ネコの名前って…よ…。」 


いきなりキスをして、唇を塞ぐ。


香織のふっくらした下唇を食む様にくわえて甘噛をする。


「…ん…っ」


漏れる声を聞きながら、肩を引き寄せ、君の左手を絡ませる。


少ししてから、耳元で囁いた…


「俺…死ぬ気で頑張るからさ…。」


「うん…。」




香織が握り返してくれた左手に、約束を出来る日を願ったんだ…。

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