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不器用なタッシュ

第6章 不安

香織とオッサンの近くに、男が一人に近付いて来た。

割りと声が大きくて、こっちにも筒抜けだった。


「梶さんばっか、渡辺さん独り占めしないで、下さいよ!既婚者なのに、いつもモテるんですから。」


「なに言ってんだ、渡辺さん狙ってもムダだよ。」


「か、梶さん!」


オッサン…どうゆう意味だよ…。


すると男は、こっちを向いて


「ガーン!残念…。じゃあ元木さん!」


元木は唇を尖らせて


「ついでみたいで、嫌です~!」


正直、元木の事はどうでも良かった…。


オッサンといい、あの男いい、香織も隙があるんじゃないか?


元木が色々話し掛けて来てたけど、聞き流しながら香織の方に意識がいく。 


オッサンが写メでも見せてるのか、携帯を見て香織もニコニコと話が盛り上がっていた。


イライライライラ…。


どうしようもなく、胸の奥が落ち着かなくなってくる。

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