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不器用なタッシュ

第6章 不安

ちょうど、香織がこっちを見た。


俺は無意識に睨んでいたのか、香織の表情が曇る。


ここに居るのが嫌になって、座敷を出ていこうとしたら


「須永さ~ん!どうしました~?」


煩いっ!


無視して、襖を開けて廊下に出る。


やけにムカつく…自分でもここまで苛つく理由が解らない。


ただ、香織が俺以外の男と笑ってる姿は見たくない…。


見なくても考えたくない。


元木は、香織は社内で人気があると言っていた…。


俺と一緒に居る時より、笑ってるのかもしれない…さっきのオッサンに笑ってたみたいに…。


何でだよ…。


そんな無防備な笑顔、他の奴に見せてんなよ…。


ドンッ!


思わず壁を叩いた。


「はぁ…。不味いよな…。」


取り敢えず、御手洗いに駆け込んだ。

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